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アニマルセラピーのそれぞれの効果

アニマルセラピーと言ってもその相互作用は対象となる方々それぞれの環境、心身状態、健康状態によって様々で

同じ施設内においてもその効果は一様ではありません。例えば、高齢者施設では、動物とのふれあいの中ですぐに効果が出る方もいれば継続していく中で効果が表れる方もいます。

 

「効果」という言葉が適切なのかわからないこともありますし

犬の方に多く効果を感じることすらあるのです。

 

動物介在介入アニマルセラピーとは

奥が深く、そして奇跡と思うような現象も起きたりします。

 

 

11月21日に半期に一度訪問している老健さんでのスタッフの言葉です。

 

「ご家族の不幸でここのところすっかり気落ちされているご利用者様が

今日は柔らかな笑顔になってくれました。

何週間ぶりの笑顔です。

ありがとうございました」

 

私達はそのご利用者さんが気落ちされていることすら知らずに犬たちのふれあいをしています。

もちろん、犬もそんな事情を知る由もないのですが、

何故か犬は、その方のそばから離れようとしなかったりします。

こんなこともありました。

 

生まれてから顔の表情がまったく変わらない15歳の脳性麻痺の少年。

感情が表情に現れないことは当たり前な日常でしたが、犬たちはもちろん知りません。

 

でもスタッフの方々が叫びます。

 

「施設長を呼んできて!!!」

 

バタバタと施設長や施設中のスタッフが集まってきました。

 

「〇〇ちゃんが、わ、わ、笑ってる!!」

 

「笑わない子なんですか?」と私がびっくりして聞くと

 

「初めて〇〇ちゃんが笑っているのを見たのです。写真撮ってご両親に見せなくては!」

 

もちろん、その子は自力で犬を撫でることはできないので

私がその子の右手を持って犬を撫でてやっていた時に起こった現象でした。

 

施設長が

 

「アニマルセラピーの日にこの子が笑うということは

毎月1回笑える日があるってことですね。

ということは、年に12回この子は笑顔になることができるということですね」

 

涙を流しながらお話してくださいました。

 

どんなに進んだ医療も、薬剤も、人の優しさや愛にも変化しなかったことが

犬を触るというささやかな非日常で奇跡と思えるような現象を起こしました。

 

しかも、飛び切りの笑顔です。

 

その後、ご両親もアニマルセラピーの日に同席するようになり、

わが子の笑顔を15年目にして目の当たりにして、肩を震わせていました。

 

これが真のアニマルセラピーですね・・・。

 

この経験が私達ハンドラーの原動力になっています。

 

愛犬と共にできる社会貢献は、私達の方にこそ大きな感動と喜びを与えてくれるのです。

 

左から リズ クッキー プリン ロッキー ミン 上→ひめ
左から リズ クッキー プリン ロッキー ミン 上→ひめ
左から タフィー ロッキー ミン パッシュ
左から タフィー ロッキー ミン パッシュ
左から ロッキー アース サン 前→プリン
左から ロッキー アース サン 前→プリン