しつけのコツ1

犬の「しつけ」とは、人間の都合を押し付けるものではなく、愛犬の安心・安全・幸せな共生のためのものです。

犬の行動学から見た正しいお散歩とは何かを知ることで、問題行動が激減!飼い主さんとの揺るがない絆と犬の心身の健康のために♪しつけしていく中で一番大切なのは....

   犬のしつけとは

 

「犬が人間と幸せに共生するためのもの」

「犬の安心・安全のため」に必要なものです。

 

そして「犬が健康に暮らせるため」でもあり

人間と犬という異種間で

「飼い主とのコミュニケーションツール」でもあります。

 

決して人間の都合だけを押し付けるものではありません。

 

セラピードッグ育成トレーニングでは、

人間を100%信頼できるように「正の強化」のみで犬に正しい行動を教えていきます。

決して叱ったり、脅かしたり、痛みを与えたり、罰を与えたりしません。

 

そのノウハウを家庭犬にも生かしていくには

「しつけ」は、飼い主さんにとってもワンちゃんにとっても

楽しいものであるべきと考えて取り組んでいます。

このしつけのコツシリーズを参考にしていただき

ぜひ愛犬と楽しく、そして幸せな共生を目指していただきたいと思います。

 

そのしつけの中で一番大切なことってなんでしょう。

もちろん、犬種やそのワンちゃんの性格などでしつけ方法や内容は臨機応変にしていくべきですが
共通して大切なことがあります。


それは  「お散歩」です。

え?お散歩が一番大切なの?(°д°)
オスワリとかマテではないの?


と驚かれる飼い主さんが多いのですが
正しいお散歩を継続していくだけで

問題行動が改善(または予防)されていくことも多々あります。

正しいお散歩は、犬の運動や気分転換と共に

犬にとって飼い主さんとの絆を育む重要なツール
心身の健康を保つ上でとてもとても大切なのです。

心の安定・バランスも保てます。

 

毎日朝夕の正しいお散歩を継続しているだけで

(正しいお散歩でなければ意味がありません)

 

飼い主さんとの揺るがない絆(ヒューマンアニマルボンド)を育み
その子の長所、穏やかで従順な性質を引き出せます。

 

お散歩の足りないわんちゃんは、落ち着きがなく精神的に不安定で

興奮し過ぎたり、ストレスで脱毛したり、必要な筋肉が落ちて怪我をしやすくなったり、

また病気にもなりやすい傾向もあります。

 

いくら毎日朝夕お散歩していても、

自分勝手に歩かせたり匂い嗅ぎやマーキングをさせ過ぎていると

犬の縄張り意識を支配欲を異常に育ててしまったり、

病気にしてしまうなどという好ましくない結果になってしまうこともあります。


では、正しいお散歩とはどんなお散歩なのかお伝えしますね♪

1.一日二回(朝・夕)必ずお散歩

ワンちゃんの体調や年齢、季節、天候によって時間や距離などは変化が必要ですが、
一日二回(その子にとって適正な距離と時間)が原則です。

帰宅後に、お水を飲んですぐにリラックスして伏せていたらお散歩が足りている証拠です。

その反対に、お散歩から帰ってきても興奮していたり、家中ウロウロとしていたり

遊ぼうとおもちゃを持ってきたら、お散歩が足りていないというサインです。


超小型犬、小型犬、中型犬、大型犬、超大型犬で時間や距離は違って当然ですし

小型犬でも犬種によっては大型犬並みの距離が必要だったり、
犬種にかかわらず、必ずお散歩は必要です。


お散歩の時間になると騒ぎ出したり、お散歩を要求してくる時は
無視して下さい。(意外にもこれができない飼い主さんはとても多いです)
無視して静かになったら、飼い主さんの方からお散歩に誘いましょう。
お散歩に行くのも帰るのも、飼い主さんが決めます(*^_^*)

 

2.ひっぱらずにお散歩(主導権を持つ)

 

引っ張って歩くワンちゃんには、問題行動と呼ばれるものが多いのが実情です。

引っ張る=犬が主導権を握る という図式になりがちで

支配欲を育ててしまいます。支配欲は、問題行動に繋がりやすくなります。

飼い主さんが主導権を持ちましょう♪

まず飼い主さんの横にいることを喜べるように室内で練習します。

その方法は色々ありますが、基本的なしつけをしていれば簡単にできます。

 

 

室内で飼い主さんの横に来る練習をします。横につけるようになったら、

一歩ずつ前に歩く練習です。

横につけて歩けるようになったら、リードをつけてみましょう。

リードをつけても上手に室内を歩けるようになったら、いよいよお散歩の時に実践です。

リードを見ただけで大興奮のワンちゃんは、リードを新しくするのも興奮の原因を取り除くことができたりします。

必ず落ち着かせてから玄関を出て下さい。(玄関を出る前にフセをさせたり・・)

 

興奮したまま戸外に出ると、なかなかうまくいきません。

飼い主さんもゆったりとした穏やかな気持ちを保ってお散歩します。

 上手くいかない時は、ご相談くださいね。

 

伸縮リードで自由に歩かせるのではなく、リードを短く持って横につけて、

声をかけながらアイコンタクトを時々とり、褒めながら歩いてくださいね。

立派なヒールウォークでなくても大丈夫です。短く持っているリードが緩んでいればOKです☆

(ただし、セラピードッグ候補生はヒールウォークでウキウキ歩かせましょう。)

 

自由にさせても大丈夫な場所(犬OKの公園など)では伸縮リードに付け替えて

思いきり匂い嗅ぎをさせてあげたり、ボール遊びなどしてあげましょう。

 

アイコンタクトをしながら歩くとは


そして大事なことは!!

散歩のスピード、歩くコースなど全て飼い主さんが決めましょう☆

 

もちろん、問題行動の無いワンちゃんも、引っ張らずに歩かせることで
心のバランスと、飼い主さんとの揺るぎない絆が更に育まれます。

なぜ?と思われた方は、まず実践して体感してください。
少なくとも1ヶ月継続していただければ、愛犬の変化に気づくと思います。
結果が伴わない場合は
そのお散歩が「正しいお散歩」なのかどうかを再検討してみてください。
「お散歩に行こうよ~」「こっちの道に行きたいよ~」
という愛犬の要求に応えたりしていないか、毎回一貫性のある態度か、

家族でお散歩を分担している方は、家族全員同じ態度かなど、必ず飼い主側に責任があります。

 

上手くいかない方は、諦めるのではなくプロのトレーナーさんに依頼しましょう。

 

3.マーキング・匂い嗅ぎを自由にさせないお散歩
マーキングは犬にとって情報を得たり、また他の犬との情報交換のためでもあります。

未去勢だったり、縄張り意識の強い犬ほどマーキングをします。

いわゆる犬の本能です。本能を満たすことも大事ですが、

住宅街、公共の場などで自分勝手にそれをさせてしまうのは、色々な弊害が出てしまいます。

(下記に詳細を記載しました)

自分勝手にさせないというだけで、

飼い主さんが許可を出してくれる場所では匂い嗅ぎはできるんです。

自由と自分勝手は違います。

自由とは、ルールの中で与えられる行動の許可です。


マーキングや匂い嗅ぎを自分勝手にさせないなんてどうやるの?とよく聞かれますが
引っ張らないお散歩をしていると、

この行動は減少していくことが多いので飼い主さんの頑張りどころです。

 

歩くことに集中させるのです。

 

リードを短く持つ、テンポよく歩く、声をかけながら歩くなどをしていきます。

それでも今までの習慣から、

マーキングポイントが近づくとそちらに向かってしまうこともあります。
名前を呼んだり、こちらに集中させます。おやつを使ってもいいでしょう。

 お散歩コースをすっかり変更するのも良いです。

 

室内でヒールウォークの練習をして、お散歩時にもリードを引っ張らないで歩くことを

徹底させましょう。

決して大声を出して叱ったり、叩いたりはしないでくださいね。


そしてリードを引っ張らずに歩くことができたら充分に褒めてください。

飼い主さん自身が楽しみながらお散歩することで犬もマーキングしなくとも楽しいくお散歩できます。

また匂い嗅ぎをさせなければ、マーキングは避けられます。

生理的排尿、排便、匂い嗅ぎは飼い主さんの許可することろでさせましょう。

室内で排せつを済ませてからお散歩に出るのが理想です。

(マーキングの尿と生理的排尿は尿の成分も違い匂いも違います)

マーキングと匂い嗅ぎの弊害

・拾い食いのきっかけにつながることもあります。

匂いを嗅いで歩いていると、色々な匂いにたどり着き、食べて欲しくないものをパクリ!!いうことになってしまいます。

腐った物や農薬付きのもの(誰かが故意に置いていると思われます)を食べてしまって亡くなってしまうワンちゃんもいます。

悲しいことに最近も、こういう事例がありました。

農薬付きのちくわ

 

・病気に感染してしまうこともある

匂いを嗅ぎを許してしまうと、他の犬の糞尿に鼻がついてしまい、そこから病気の感染などがあります。

予防接種をしていない犬は意外と多いのです。

(それどころか鑑札もない、一度も動物病院に受診経験のないワンちゃんもいるのです)
乾燥した糞からの呼吸器感染は非常に多いと言われています。

感染しやすい病気はレプトスピラ症・鞭虫症・パルボウィルスなど

 

・異常な縄張り意識を育ててしまうこともある

唸る、吠える犬、警戒心が強い犬は特にやめさせましょう。

マーキング行動から犬の縄張り意識や支配欲や警戒心などを更に強化してしまうので

 

・人に迷惑をかけてしまう。鉄製のものは腐食させてしまい大事故の原因になることもある
マーキングの場所によっては、他人に迷惑・嫌悪感を抱かせてしまいます。

(電信柱、他人の家の塀や子供が遊ぶ公園の木々など、水を流せばいいものでもありません。
生理的排尿とマーキング尿では含まれる成分は違い、とても匂いのきついものになります)

マーキングの尿に寄って腐食した鉄製の照明塔が倒れて、大事故に繋がることもあります。


飼い主として、また愛犬家として、

この犬の本能による行為をきちんと管理しましょう。

(飼い主としての正しいマナーでもあります)

お散歩に行く前に、屋内や庭の決まった場所で指示で排泄をさせましょう。

排泄してからお散歩に出る習慣がつくと、お散歩前にワンちゃん自らおトイレに行ったりします。

指示で排泄レッスンもご相談下さい。

 

指示で排泄をさせることができると、ドッグカフェや犬連れ旅行などでも安心できますし、

マナーベルトやオムツなどをして皮膚病になったり

ワンちゃんにもストレスをかけることもありません。

指示での排泄練習中や、どうしても屋内などでできないワンちゃんには

外でのおトイレの場所は迷惑がかからない場所(公共の場所や電信柱などはNG)を

飼い主が決め、そこなら匂い嗅ぎもおしっこもOKだよ♪と

ワンちゃんに教えてあげましょう。

どうしてもという時にはおしっこをし始める直前にトイレシートを敷いたり、おしっこをトレイシートで吸い取る、その後にたっぷりのお水で流す、など

できる限り工夫をしましょう。

そして、必ず排泄物の持ち帰りと水(できればEM菌や次亜塩素酸水・消毒・消臭入り)を流すなどのマナーも厳守です☆

4.毎日同じコースではなく色々なコースをお散歩

犬の社会化期は生後12,3週までと言われていますが、生涯社会化は必要です。
同じコースより、日々違ったコースでたくさんの経験をさせることは
臆病・不安がるワンちゃんなどには効果的です。

人間でも毎日同じことの繰り返しだと飽きあきしてしまうのと同じように
ワンちゃんも毎日同じコースでは楽しさも半減してしまいます。

 

※ただし、過度な怖がりワンちゃんをむやみやたらにあちこちに連れていくのは逆効果になることもあります。

怖がっているワンちゃんを抱っこしたり撫でたりするのも益々悪化させてしまいますので

プロのトレーナーさんに相談することをおすすめします。


この4つが正しいお散歩の基本中の基本と覚えてくださいね☆
特に「3」のマーキング・匂い嗅ぎはさせないお散歩は
今まで自由にさせてきた飼い主さんにとっては、かなり努力のいるトレーニングになります。

「2」の引っ張らずにお散歩することを継続していくのと、少々のコツと根気があれば
意外にも、1週間~4週間ほどで横について喜々として歩き、マーキングをしないお散歩が
習慣化されていきます(*´∀`*)

去勢をしていない牡犬は、飼い主さんの根気と努力のお散歩は生涯続くかもしれません。

マーキングをしない習慣は、支配欲や独占欲の抑制にもなって
その後の問題行動を矯正していくトレーニングを
よりスムーズにさせてくれますので、家族全員一貫性ある態度で頑張りましょう☆

 

2014.3

 

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