しつけのコツ5

暴力でのしつけは、信頼関係などできないということを理解し、犬も人間も幸せな共生ができるようにどうしたらいいかをお伝えします..

しつけのコツでは『正しいお散歩』という基本中の基本、

しつけのコツ2では『ルールについて

しつけのコツ3『オスワリ、フセ、マテ、アイコンタクト

しつけのコツ4『動物病院受診時にノンストレスでいられることを教える』をお話しました。

 

次に大切なのはなんでしょう?

当たり前のことなのですがあえて書こうと思います。

 

それは、

暴力でのしつけはしない

 

ということです。

 

暴力とは身体に痛みを与えること以上に愛犬の心に大きな傷、そして想像以上のストレスをかけてしまうことを知っておきましょう。

 

「服従訓練」という名のもとに、首を絞める「チョークカラー」や「スパイクカラー」を使うことも私は暴力と同じだと思っています。

このことについては別にブログにも書きましたので読んでくださいね。

悲しいことに

家具をかじった、トイレ以外のところで粗相をした、

指示に従わなかったなど

そんな理由で叩いたり、殴ったりしている飼い主さんもいます。

 痛みをくわえたり、恐怖心を与えるしつけをするトレーナーさんも多いです・・・。

その場では、やめるので魔法のようなしつけに感じますが

 

暴力でのしつけは虐待です。

 

愛があれば暴力は正当なしつけと言われる方もいますが

それは愛とはいいません。

人間側のイライラや怒りを物言えぬ弱い動物に爆発させているだけです。

 

もちろん、犬はそんなことをされても飼い主さんを大好きでいてくれます。

とらちゃんは虐待とネグレストの上に遺棄されました。人間を信じてくれるようトレーニングしました。
とらちゃんは虐待とネグレストの上に遺棄されました。人間を信じてくれるようトレーニングしました。

当たり前です。

飼い主さんがいなかったら生きていけないのですから・・・

 

暴力のしつけで、犬は恐怖心から指示にしたがったり、飼い主さんの様子を伺ったりして

いい子になる子もいます。

 

でも、それは信頼関係があるといえるでしょうか?

恐怖心で言うことを聞いているだけなのです。

 

だから、飼い主さんが留守の時や目の届かないところでは同じ問題行動を起こしたり、飼い主さん以外の指示に従わなかったりします。

特にご家族に小さなお子様やご高齢の方などがいる場合は、すっかり馬鹿にしてしまいます。

 

いつまでたっても、問題行動の根は残ったままで

問題行動が直ったのではないですよね。

 

ただただ暴力が怖くて怖くて、暴力を振るう人が見ているところでは

恐怖心からいい子にしているだけですよね。ただ我慢してるだけですね。

 

怖がりに拍車がかかったり、人間に対する不信感を育てたり

物音や人間の動作に恐怖のあまり、吠えたりおもらしをしたりするようになったりもします。

 

大好きな人から暴力を振るわれ、犬も傷つきます。

そしてショックと恐怖心や我慢は、犬に大きなストレスを与えてしまいます。

ストレスは万病の元です。それは人間と何ら変わりはありません。

 

免疫力down、脱毛、食欲不振などから始まり、

癌や内臓疾患、アレルギーなどの病気の引き金になったります。

 

そして、いつか飼い主さんの暴力を逃れようと必死になってしまい

噛んだり飛びかかったりしてくるという咬傷事故につながることもあります。

 

暴力から生まれるものはストレスと病気、そして不信感のみです。

 

どうか、暴力を使わない信頼関係と絆を育む喜びの中のしつけをしてくださいね。

 

では、信頼関係を育みながら喜びの中でしつけをするこということは

どんなことなのでしょう。

 

家具をかじったり、粗相をしたり、唸ったり、噛んだりした場合は

どのように対処すればいいのでしょうか。

 

答えは簡単です(*^^*)

 

今まで毎日継続してきたことを試してみて下さい。

しつけのコツ全てを続けている飼い主さんなら、信頼関係と絆が育まれているので

きちんと教えれば、ワンちゃんは理解できます。

 

自信を持ってください。

愛犬を信じて下さい。

 

愛犬を信じることができないのなら、愛犬もあなたを信じてはくれません。

 

問題行動によって虐待をしてしまっているのならその問題の原因を探り、

改善に取り組みましょう!

 

粗相の場合は、初心に戻って、一からトイレトレーニングを再開してみます。

 

家具をかじるのであれば、それがいけないとうことを教えればいいのです。

教え方は犬種やワンちゃんの性格によって手法は異なります。

(びっくりさせるやり方でやめる子もいますが、それに慣れてしまうとまた再発します)

どうしてもできないという時は、プロのトレーナーさんに家に来ていただいて

指導してもらってください。

(絶対に正の強化(陽性訓練)で教えてくれるトレーナーさんを探してくださいね)

 

唸ったり噛んだりする場合は、プロのドッグトレーナーと共に取り組んで下さい。

原因によっては少し時間はかかると思いますが、必ず改善します。

原因がわかれば必ず対処法があります。

 

トレーナーさんによっては、スパイクチェーンやチョークチェーンを使ったり暴力でのしつけをする方もいますのでトレーナー選びは慎重に・・・

写真のミニチュアダックスは

ひどい虐待をされていた過去があり

保護した時には

すっかり人間不信になっていました。

 

普段は大人しく穏やかなのですが、

人の動きが怖く、手も怖く、びくびく震えたり、パニックになるとガウガウと唸ったり噛んだりすることもありました。

 

 

 

でも、2ヶ月以上かけて手は怖くないんだよ、私たち人間を信頼してねと伝え続けていたら

(目も耳も不自由な高齢犬ですが、基本トレーニングなども取り入れました)

今ではもう、すっかり信頼してくれるようになりました。

 

まだ時々フラッシュバックのように、震えたり身体を硬直したりすることもありますが

パニックになることも、また問題行動もすっかり姿を消しています。

トラウマを解消するには、これこそ暴力では解決しないことです。

 

犬は「今を生きる動物です」

過去にとらわれす、どんどんと今を受け入れてくれます。

私たちが諦めたり、途中でやめてしまわない限り

私たちが想像する以上に信頼してくれるようになります。

 

なので、今まで暴力や暴言などでしつけをしていた方は

今日から、信頼関係を築けるしつけをすることを選択してください(*^-^*)

 

しつけのコツシリーズは次の「しつけのコツ6」で完了となります。

ぜひ最後まで読んで下さり、愛犬との幸せな共生を目指してください。

 

あたなと愛犬の幸せで喜びに満ちた毎日を

心から願って・・・

2015.11